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日常の幸せを気づかせてくれるホテル

2016.10.27last updated: 2019.11.5

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今回は、お店に時々来てくださるお客さまhotel aiaoi ホテル アイアオイさんを紹介したいと思います。
鎌倉に住んでいる人でさえリピーターになる、おすすめのホテルです。

江ノ電長谷駅から歩いて3分。オレンジ色のビルの3階にhotel aiaoiはあります。鎌倉に住む小室剛さん、裕子さん夫妻が、2016年2月にオープンしました。鉄製のドアを開けると、雰囲気のあるアンティーク家具や、色合いがかわいい食器がきれいに並べられていて、ここに来られたことが嬉しくなります。部屋は全部で6部屋あり、すべて個室。朝ごはん付き。窓からは由比ガ浜海岸が見え、海までも歩いてすぐ。いい場所です。

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元々剛さんには「鎌倉でホテルをやりたい」という思いがありました。結婚を機に鎌倉に移り住むことで、その思いが実現することになります。近所には、肉屋や魚屋などがあり、顔の見える人から物を買うこと。それが地域に貢献することになる。そういった人とのつながりがいいな、と思ったそうです。「魚屋さんがすごく仲良くしてくれて。30分くらい話しちゃう。そういう時間の使い方を今までしてこなかったな、と思いましたね。」

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古い平屋に住んだことも、かけがえのない時間だったそう。すぐ汚れる窓を拭いたり、草むしりをしたりなど、常に手を入れる必要があった家。それでも、その家で過ごすことが大切だと思っていた、と話してくれました。新しいものを買うよりも、祖父の家具を手入れするなど、気に入ったものを長く使うようにしていたといいます。

日々を過ごす中で、大事に感じる瞬間や、物事を選ぶ基準が変わっていきました。そんな時、裕子さんに変化が訪れます。「仕事を変えたいと思いました。販売促進の仕事をしていました。新商品をいっぱい売りましょう、というふうに。でも、仕事と生活が真逆になってきていました。」自分が一番大切に思えることは何か。考えた結果、生活に近いことを仕事にしたい、と思うようになったそうです。この時、以前からホテルをやりたいと言っていた剛さんの気持ちに、裕子さんの仕事への気持ちの変化が相まって、ホテルを始めることになったのです。2人の暮らしが延長になった、豊かな時間を感じられる、そんな場所を創るために。

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ホテルでは、お客さまが手に触れるもの、口に運ぶものにもこだわりが詰まっています。シャンプーや、ハンドソープは日本原産の野草や、有用植物が使われた自然由来のもの。自分たちが毎日使って心地よいものを基準に選びます。手作りの朝食は、ご飯、お味噌汁に旬の海鮮、ほっこりお出汁の効いた茶碗蒸しや、野菜の小鉢など。季節の食材を美味しくいただくことができます。海鮮は、由比ガ浜で漁師さんが獲る地のものを。お米は、裕子さんのお父さんが作っている無肥料無農薬のものを使用しています。作り手の方々は、実際に食べた人の生の声を知らない。その間に入ることで、作り手とお客さまとの関係をつなげていきたい、と思ったそうです。

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また、6部屋のネーミングにも込められた思いがありました。「星月夜」は鎌倉の枕詞。近くに鎌倉十井のひとつ、星の井があることから、ご縁もあり、部屋の名前になりました。

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「kokageya」は、造形作家の友人が営む店名。部屋の内装やインテリアを手がけてくれました。その他の「朝」「海」「波」「雲」は、鎌倉の好きな景色から名前を考えたそう。どれも魅力的なので、泊まる部屋を迷ってしまいそうですね。ラウンジの床材は、近くの茅葺きの家が取り壊される際、譲っていただいた古材が使われています。

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部屋にある暖簾は、仲間と宿を作る際、現場でいれたコーヒーの出がらしで染めたものを使用するなど、どこかほっとできる温かみがある空間作りは、細部までこだわった2人の思いが伝わってくるからでしょうか。とても居心地がいいのです。

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また、お部屋には、裕子さんの小さなメッセージカードが置かれています。「季節を大事にしたいので、今はどのような季節かを調べ、自分の思うことを書いています」言葉を紡ぎ、文を書くことが好きで楽しいゆえに、手書きで毎日書いているそうです。

鎌倉だから、ではなく、日常の中にも小さな幸せがいっぱい転がっています。「家に少しお花を飾ることや、夕日がきれいだな、と思うことを泊まりに来てくれたことで、生活の中で気づいてもらえるきっかけになればいいな、と思っています。その要素を持って帰って、みんなの暮らしがちょっと良くなるとうれしいです。」
シンプルで大切なことを教えてもらったような気がします。

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hotel aiaoi

神奈川県鎌倉市長谷2-16-15 サイトウビル3F
0467-22-6789
http://www.aiaoi.net

marから由比ガ浜通りをまっすぐ、長谷駅方面へ歩きます。
長谷駅へ着いたら海方面へ進み、線路を渡り信号のある突き当たりまで出ます。
信号を右に曲がり、右手2軒目のオレンジ色のビルの3Fです。

MAR マル
神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-5-1
0467-24-6108
11:00-18:00 定休日なし
臨時でお休みをいただく際はお知らせいたします。
MAR online store : http://mar-store.com

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