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マダガスカルの小さな花

マダガスカルの小さな花

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2007年パリのサンジェルマンにて、女性と子供向けのコレクションをスタートさせたブランド「NORO(ノロ)」。ブランド名であるNOROは、創設者の名前Noro Vololonaが由来となっており、「マダガスカルの小さなお花」という意味が込められています。マダガスカル人の父と、フランス人の母を持つNoroは、幼い頃から旅好きである父に連れられ数々の島を巡ったり、週末には母とフリーマーケットやブロカントを見て過ごします。初めて父の故郷マダガスカルを訪れたのは、彼女が17歳の時。そこで彼女は、現地の人々の貧しい生活を目の当たりにします。マダガスカルは世界最貧国のうちのひとつ。小さな子を抱えた仕事のない女性も多くいます。彼女はそこで「いつかこの国の人々を助けたい」という気持ちを抱き、ブランド設立への強い影響を受けました。


マダガスカルは貧しい国でもありますが、昔から手工芸が素晴らしく、女性たちの多くは制作を通して生計を立てています。島には、ヤシ科の植物「ラフィア」が自生。マダガスカルのラフィアは世界的にも高品質なことで知られ、このラフィアから取れる繊維を使って、かごバッグや帽子が作られています。しかし、販売手段を持たない人が多くいるのも現状。女性たちの社会支援や、マダガスカルの手工芸品を守るために、何か出来ることはないかと考えたNoroは起業を決意しました。彼女のコレクションは、両親の異なった感性が影響しており、レトロで洗練されたデザインと、異国情緒あふれる世界観が特徴的。パリの都会的な美しさも漂い、唯一無二の存在感を放ちます。生産は全てマダガスカルの女性職人たちの手によるもの。発展途上国では児童労働が問題になっていますが、NOROでは絶対に子供を働かせることはしません。女性たちに仕事を与え、作り手に正当で十分な対価を支払うフェアトレードを行うことで、彼女たちの自立と支援を続けているのです。


もうひとつの特徴は、マダガスカル産のラフィア100%で編まれていること。上質なラフィアの素材をもっと活かすことはできないだろうか、と考えたNoroは、ラフィアの魅力を存分に活かしたアイテムを作ることにこだわっています。他の天然素材に比べて樹脂を多く含むラフィアは、細工がしやすく、軽くしなやかな手触りが魅力。バキバキとした硬さもなく、型崩れの起きにくい素材となっています。そんなラフィア素材を、手先の器用な女性たちがひとつひとつ丁寧に手作業で編むコレクションたちは、製品ごとに違った表情見せ、手仕事ならではのあたたかさと、素朴で味わい深い雰囲気をまといます。

このようなマダガスカルでのNOROの取り組みは、他国でも非常に高く評価され、今ではコロンビアやケニアからもオファーがあるほど。マダガスカルと同じように手仕事を通して、貧困で苦しんでいる人々に寄り添った活動を続けています。

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