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自然を愛し、表現しつづける大島奈王さんと郷間夢野さん

2017.9.14

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デンマークと日本を行き来しながら、活動を続ける大島奈王さんと郷間夢野さん。
marでは、10/7〜12までお2人に展示を開いていただくことになりました。

ずっと見ていたくなるような不思議な魅力。ひとつひとつにしっかり個性があるので、興味深いです。
動物を題材にしたものは本物のようで、今にも動きだしそう。表情や佇まいが素朴で愛らしいので、思わず手にとってみたくなります。

陶芸が中心でオブジェやうつわ、花器などを作られている大島奈王さんと、水彩画や銅版画を制作されている郷間夢野さん。2人の出会いは、芸術系の大学で同じ学部だったことがきっかけでした。当時大島さんは染織について学んでいましたが、化学染料が中心のため、環境への配慮を考えるとこの先も続けていくには気持ちが進まなかったそうです。卒業後は就職をするか学生を続けるかで迷うこともありましたが、「ものづくりを続けたい」という想いは捨てきれずにいました。海外へ留学をして、新しい分野を学ぶこともありかもしれない。好きなこと、続けていきたいことが見つかるかもしれない。…とはいえ上手くいく保証なんてない。可能性を信じていいのだろうか。ぐるぐるぐる…想いは巡ります。
そんな時、クラスメイトだった郷間さんと話していると、彼女も留学に興味があることが分かります。それならば、と2人で1ヶ月ヨーロッパの周遊学校見学の旅に出ることに。

ドイツの芸術大学など様々な学校を見て廻る中、最終的に行き着いたのはデンマークの田舎にある学校でした。ボンホルム島という小さな島。海や森が近くにあり、とても環境がよい所に2人は惹かれました。歩けばすぐそこに自然がある。理想的な場所でした。今でも自転車で学校へ向かう道が草原の中にずっと続いていて、空が広くて気持ちよかったのを覚えているそうです。

勇気を出して海外へ渡ったことは、彼女たちにとって良い選択となりました。
すばらしい出会いが待っていた。デンマークの学校では、大島さんは陶芸や彫金、版画などを学ぶようになります。

卒業制作展が行われた時、彼女に嬉しい出来事が起こりました。販売を想定していなかったのに、現地の人から普通に買い物をするような感覚で「この作品はいくら?」と価格を尋ねられたのです。驚きました。展示をすることで誰かが買ってくれるなんて思いもしません。日本とは違う文化に最初は現実味を感じなかったそうですが、自分の作品に価値を与えてくれたことは事実です。うれしい。ここでもっと学び、作品をつくりたい!そう思えた幸せな瞬間でした。

この事がきっかけとなり、彼女はデンマークで活動を続けるようになります。
現在は陶芸家のHans Marx氏に師事し、技術や知識を教えてもらっています。

郷間さんは素直に表現したい、と思える数々の美しい風景に出会うことができました。どこまでもつづく平たい景色、水平線、地平線。自然の風景は様々な顔をみせてくれます。雨のあとの土の匂い、夕日や朝焼けの色、きらきら輝く星空。

五感もどんどん冴えていくのを感じるようになります。見たものと、想像をするものを組み合わせて自由に表現することが好きだった彼女は、ここで見た景色を絵に描いてみたい、と思うようになります。自分の作品を誰かが目にした時に、楽しんでもらえたらいいな。デンマークにきたことで、作品をつくり続ける大切さを考えるようになりました。

好きなことに正直であるように、日本とデンマークで制作を続ける大島さんと郷間さん。そんな彼女たちが一緒に展示をするようになったのは、ボンホルム島の海辺のギャラリーに出会ったことがきっかけでした。白を基調とした開放的なギャラリーは、地元のボランティアの方々によって支えられていて、自然光が降りそそぎ、窓からは海がみえるそうです。2人で「こんな気持ちのいい場所でいつか作品を発表したいね」と話していたそう。

偶然にも学校卒業後にギャラリーを使わせて頂く機会をもらうことになり、憧れの場所で展示をさせていただいたのが、共に活動をする最初となりました。2人は時間をかけて話し合いながら、お互いが納得できる空間づくりを心がけています。事前に入念な打ち合わせをしなくとも、共に過ごす時間が長い分、見ていることや感じていることが似ているため自由にお互いが好きなことを表現できているそうです。

彼女たちの制作のアイディアは、身の回りのモノ、コトからヒントをもらっています。動物や植物、旅でみた景色、散歩をしたときに拾う木の枝や石、落ち葉など。素材を触った際に浮かぶイメージや、これまでの思い出の記憶を少しずつ表現することを大事にしています。粘土を叩いたり凹ませたり、何度も絵を描いたりすることで”好きだからこそ伝えたい”と思うことを言葉ではなく、作品を通して感じてもらいたいと考えているのです。

大島さんの作風からは繊細で優しい印象を受けますが、ゆるぎない芯の強さも感じることができます。かわいいだけでない、さらにもう一歩奥深い魅力があります。彼女はいつも「宝物を作ろう」とう意気込みで活動を続けていて、自分でハッとするぐらい納得がいくものができた時が一番うれしい、といいます。

郷間さんは特に“冬”をテーマにすると、創作意欲が湧いてくるそう。冬独特の薄暗い風景の中にぽつんと立つ裸木。落ち葉や木の実。乾いた枝。真っ白い雪で覆われた銀世界など。冬の儚くも美しい景色から、インスピレーションを受けているのです。淡い色づかいが特徴的で、まるで夢でみた景色のように甘く優しい気持ちにさせてくれます。

展示ではオブジェ、うつわ、花器やブローチ、デンマークのヴィンテージ額に収められた水彩画や銅版画が並びます。自然を愛し、のびのびと制作を続ける彼女たち。どんな世界を私たちに見せてくれるのでしょう。

「大島奈王と郷間夢野 作品展」

会期:2017年10月7日(土) – 10月12日(木)
営業時間/11:00 – 18:00 *最終日は17:00まで
※ 作家在店日:10月7日(土)

ぜひ、彼女たちの作品を手にとって楽しんでいただきたいです。

mar マル
神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-5-1
0467-24-6108
11:00-18:00 定休日なし
臨時でお休みをいただく際はお知らせいたします。
mar online store : http://mar-store.com

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